新しい電動ベッドに替えて間もないとき、ベッドから落ちた
それまでの電動ベッドは、ベッドの真ん中に柵をすることができた
ベッドを起こした状態で、体を横に傾けても
柵があるので落ちることはなかった
新しいベッドは、真ん中に柵をすることができなかった
頭側に柵をすると、檻に入れられたみたいで嫌だから
左側の足元だけに、柵をしていた
あるとき、ベッドのリモコンが落ちた
柵のことを忘れて、つい体を傾けた
その瞬間、ドンと頭から床にずり落ちた
思ったほど頭は強く打たなかった
柵にお尻が引っかかって、頭と肩が床についた宙吊り状態だった
ヘルパーさんが来るのは、3、4時間後だった
自分ではどうすることもできなかった
しばらくすると、床についた頭や肩が痛くなり
変な脂汗が吹き出して来た
ちょっと離れたところに電話があった
頼りない手を伸ばしてみるが、届かない
電話には指で引掛けて取れるように、針金で輪っかを付けている
それに引っかからないかと、何度も何度もトライし
なんとか指に引っかかった
やっと電話が取れた
指が動かないので、両手首で電話を挟んで、顎で119番を押した
だが、なかなかうまく119が押せなかった
もう限界を超えていた
それでも、どうにか押して、救急車を呼んだ
後日談
隊員の方が来られたときの一言
ぼく、大丈夫か
確かに、ぼくと聞こえた
こころの中で、思わずガッツポーズ
スキンヘッドだったせいもあるだろうけど
あと、尿器の関係でパンツを履いていなかった
超変態と思われたに違いない
